2024年2月、日経平均がバブル末期の1989年年末に付けた最高値を34年振りに更新した。もうこれは素直におめでとう! と言いたい。
<2/23日経新聞1面>
1面の70年チャートを見ると、戦後のほぼ半分をかけて上昇した高値まで再び34年の月日をかけた事が分かる。90年代に入ってから当時、野村総研のリチャード・クー氏が「バブルの高値を抜くまでには相当の売買高をこなす必要があり30年くらい掛かるだろう」と話していたのを覚えている。でも、まさかホントに34年も要するとは。
<同2面>
1989年、最安値を付けた2009年、直近2023年の指標を対比させた2面の表もそのまま転載させていただいた。
この30余年で名目GDPに大差はなく、企業業績と為替相場、NYダウ、外国人投資家の動向などに揉まれて相場が持ち直してきた。ここ20年くらい配当金への分配は急激にupしてきたものの、それでも企業の内部留保は圧倒的に厚くなった。
※参考:最近TVで見た指標(単位:兆円)
2001年 2011年 2021年
配当支払 3.1 8.7 22.2
設備投資 20.4 18.2 21.2
内部留保の蓄積は表の下にある「海外の稼ぎ」が10倍の33兆円に急拡大している事とも関係していると言えそうだ。なので、国内従業員の賃上げが持続的なものになるのか、微妙でもある。この表にも「賃金上昇はインフレに劣後」と書かれている通り、やはり「物価上昇を上回る賃上げ」って言葉が空虚に響く。
この表に載ってないが市場平均PERは大幅に低下しており、業績水準と比較したマーケットの過熱感もないと考えていい。もちろん、短期間で5000円程度いいピッチで上昇してきたので、スピード調整は避けられないだろう。
はてここからどう対処していくか。マイナーな業種が大幅高を演じていないので直近すぐコケる事は考えにくい。PBR1倍割れの銘柄もまだまだ多い。
米国株は堅調なのだろうが、GAFAMを除いた指標がそれほど急カーブでない事には注意しておきたい。
ただ、為替相場は常に読めない。日銀の金利判断は緩慢だろうが、一旦始まれば逆回転のリスクはある。中国マネーの流入は短期的なものだろう。
新NISAで素人が大量にマーケットに参入してきた影響がどんなタイミングで出てくるのか、ネットでは数年のスパンで攪乱要因になるとの見立てもあったけど、こちらもやはり読みにくいファクターだ。