H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

ETF投資って何が楽しいのか(パート2)

昨年は株の評価損益が大きく傾いた事もあって、投資に関していろいろな方々のHPやブログを覗いてみた。その中でやっぱり目立つのは、ETF投資、index投資、米国株投資だ。いずれもその語義を追っていくと微妙に違うだけど、志向する所は同じだと思う。個別銘柄で大幅高を狙わないで、とにかく市場平均と同様のperformanceを確実に積み上げていこうって事だ。税制優遇のNISAやiDeCoが目指しているモノも似ている。長期的な証券投資をしていけば大きな果実を得られるって事だ。

それはあながち間違っていない。でも、今日はそれに対する反論を書いてみよう。

(1)楽しいのかな

例えば、国内/海外、株式/債券で四分割したportfolioを組んだとする。それがbestであれば後はずっとそれを維持するだけだ。リバランスするとしてもそれは年1回くらいの話であり、他にヤル事は無い。投資が苦手、若しくは多忙でそれどころでない人にとってはそれでいいだろう。それと、昨年、個別銘柄に投資していて株価の上下動に耐え切れなくなって胃に穴が空いた人とか、評価損は許容できない人もいた。この辺りの心境は、ホンネの所で理解できないのでちょっと脇に置いておく。

でも、投資が好きな人はindex投資で満足できるんだろうか。どこかで、投資のcoreをバランス型で構えておいて、サテライト運用で少しだけ自分の趣味で銘柄を選べばいいと話している型がいた。でも、オマケのような銘柄選別で楽しいんだろうか。やっぱりその気持ちは理解できない。

(2)主体性のありか

VTとかVTI、それに日経平均TOPIXなどを買う事で、投資対象となるmarketを自分で決めているのは本当だろう。ITやヘルスケアなど業種で選択する事もできる。でも、ここの銘柄の投資判断を完全に放棄しているのは、個人的に性に合わない。

SP500でも日経225でもそこそこの銘柄数にflatに投資する場合には、同業種の銘柄を複数選ぶ事になる。例えば、キリンビールサッポロビールトヨタと日産、第一三共と武田だ。これらの銘柄は同じように株価成長するのだろうか。業界のパイが広がっている時代ならともかく、今は各社の成長戦略によって半年(or数年)単位で見て両者の株価は開いていく。それを、敢えて両方セットで保有する必要があるのだろうか。しかも225銘柄も拾っていけば業界3位、5位の会社にも投資する事になってしまう。

なので、もしindex投資するにしても、NYダウ30種のようにもっと銘柄を絞り込んだindexで十分だと思うのだ。勿論、volatirityが上昇すれば、短期的に不利な場面もあるだろう。そこのriskをとっても業界1位銘柄(若しくは勢いのある2位銘柄)に賭けた方が長期的なperformanceは勝れると思う。

(3)市場平均が大幅に下落したら

これも主体性の無さを示す話だ。2012年のアベノミクス以降、日本株はずっと上昇基調に乗っている。新型コロナ暴落もあっという間に埋めて28000円台に上昇している。でも、相場は基本的に波の上下動に過ぎない。日本株flatな方向性のまま上下動が30年続いてきた。欧米先進国、特に米国は成長する方向で右肩上がりの長期線の中で上昇を続けてきた。

でも、いつかは反転する。大暴落かも知れないし、新たな経済覇権が他国にshiftした時にかつての英国のGBP為替相場のように長期低落傾向になるかも知れない。そうした時にずっとETFにdependしていれば、市場平均は取れるかも知れないが、それは市場平均の評価損だ。

なので、自分で自分のportfolioを動かせるように世の中をwatchしておく必要はあるだろう。

(4)1989年に開始していたら

1989年末には日経平均が38000~39000円前後にあった。翌年には4万円、10年後には6万円とか、人々の意識も経済研究所のsimulationも常に楽観的な時代だった。NTT株を買った人はそのうち316万円だったか、当時の最高値を抜けると思っただろう。

でも、株価は年平均で常に30%前後は上下動するものだ。30%は経験的に書いた数字であって、厳密に計測したものではない。β値>1の銘柄はもっと上下動が激しいし、1以下であればmildな動きになるだろう。平均株価やindexも概ね30%未満の振れ幅だと思う。

しかも、ある年がマイナスだったら翌年にプラスに転じるとcyclicalに変動するものではない。もし1989年頃に投資を始めた人がいればどうだろう。その人の評価損益は長期間に亘って水面下に沈んでいた。その人に「長期投資だから大丈夫」と言った所で彼は救われるのだろうか。

(5)まとめ

この記事の結論は、銘柄も時期も自分で考えた上で決断しましょうって当たり前のモノでしかない。分散投資である。それと銘柄分散と購入時期の分散はよく言われているけど、売却時期だって同様。これは忘れがちだけど自分も上手く制御できていないだけにそこに触れておく。いつも保有銘柄を半分売却すると、そわそわしてしまい残り半分も大抵の場合は1ケ月以内に処分してしまうクセがある。

【註】もしかして1年後に読み返したらもっと正確なPros/Consが書けるかも知れない。それはそうだけど、一旦このlevelで投稿します。

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【2021.6追記】実はこのタイトルで2020.8にも投稿していた事を今更ながら知った。いかにもETF投資に馴染めないのを暴露してしまった形だ。紛らわしいのでタイトルに「パート2」と付けておく。