H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

どうやって銘柄選定するのか

Index投資とか米国株投資が最近のはやりだ。正直なところ自分ではこうした路線に乗り切れていない。Indexより個別株投資を選好しており、米国株に特化するより欧州やAP(Asia&Pacific)も含めて銘柄選定していくタチだ。何が違うのだろうか。

(1)パフォーマンス比較が先行するのか

昨年秋にあるセミナーに参加した。一歩的に演者の話を聞いているだけだと眠くなってしまうけど、その場で前後左右の4人グループで話し合う時間が何度も設けられていた。そこで周囲のメンバーから「投資Aと投資Bを比べるとAの方が優れたパフォーマンスだ」って言葉が繰り返されていた。投資効率を比較するのは尤もであり、別におかしな事を言っている訳ではない。

個人的には違和感ありありだったが、それを上手く説明できる言葉を持ち合わせていなかった。改めて疑問に思うのは、企業内容よりも先にパフォーマンスの優劣なのかって事。過去の傾向をそのまま敷衍する事で、確かに近い将来を予測するのに役立つ。でも、それはあくまで過去に過ぎないんじゃないの。

また、最近は個別株よりも、ETF投資信託に関して詳述しているブログも散見される。個別株に関して定性的に書いているモノは読みたくなるけど、ETFの比較分析記事って何が面白いのか。ETFそのものが個別銘柄投資ではないので、もうそこでは数字の分析以外に話を広げようがないんじゃないか。全世界か全米か、SP500かNYダウか、それともセクターか、どれをとっても抽象的な話であって、行きつく先はパフォーマンス比較になってしまうのだ。

正直に言うと、三菱サラリーマン氏がSPYDなど3種類のETFを比較解説していた本は丁寧に書かれていて面白かったので、あれは秀逸だった。

(2)好きな銘柄に個別投資

私の銘柄選びにはパフォーマンスの優劣って言葉がないためだった。「○○銘柄が△△の点で優れているのでこっちの方が好きだ」って言う主観的な判断が先行している。定量的で無機的な基準で選んでいる意識がないのだ。少なくとも買候補として選んだ銘柄は何らかの視点において好きだと判断したものである。

好きで選んだ銘柄だからこそ、それなりの年数ずっと保有し続けられると思うのだ。例えば同一業種でライバル関係にある会社があった場合、両社に投資する事はない。Portfolio構成から見て片方に決めている訳ではなくて、あくまで好き嫌いで選んでいるためだ。例えばキリンビールアサヒビール三菱商事三井物産でも構わないが、主観的に選んだ1社を保有している。尚、この4社はあくまで例示でありいずれも保有していない。他に例外もあるけど、それは後段で触れる事にしよう。

別の方から「毎四半期で決算数字を追っているのか?」と聞かれた。そんなに真剣にfollowしていないので「追っていない」と答えた。決算数値(売上や利益、配当が上昇基調にあるか)くらいは日経新聞の証券面(日本株)と国際面(外国株)で眺めているけど、それ以上の事はしていない。それは、スポーツ欄で夕べ巨人が勝ったのか、阪神が何位なのかと確かめる程度のものだからだ。別に年間決算が崩れていたとしても、まあ来年儲けてくれればそれで構わない、と鷹揚に構えている。

それで済ませられるのは、①好き嫌いをベースにした上で買っている事、②単年のPL損益尻よりもBSでザックリ企業体質を見ているからだと思う。

(3)地域分散投資

次に、米国株投資じゃないのは何故か。これは米国に殆ど縁が無いためだ。米国を旅していないし、製薬企業で米国企業にあまり縁が無かったのが理由だ。

海外旅行すると、その国に対する好悪の感情が生まれる。大抵の場合、その国が好きになる。そこで銘柄を見つける事もあれば、world-wideに事業展開している企業を知る事もある。そんな会社を帰国後に調べて投資するケースもあった。

病院でいろいろな薬を処方されるけど、最近では外資系の医薬品メーカーが日本の製薬企業と販売委託契約を結ぶよりも日本法人を設立して直接販売するルートを構築しているのが多い。なので、処方薬から外資系医薬品メーカーを身近に感じる事が多い。そこでお目に掛かるのは大抵、英国かスイス、ドイツの製薬メーカーだ。新型コロナワクチンはファイザーとモデルナが先行したけど、米国の製薬会社にはあまり縁が無かった。確実に市場が伸びるだろうな、ってメーカーであればそこに投資してみる。結果として、医薬品メーカーに関しては何社か同時に投資していたケースがある。これが、前項で書いた投資方針と食い違う部分だけど、好き嫌いで選んだ結果なのでPortfolioが多少偏向していたとしても構わないと考えている。

また、world-wideに商売している企業は何もコカコーラとマクドナルドだけとも限らない。消費財メーカーでもグローバルに市場開拓している企業はほかにもあるし、そうした企業を見つけてくるのも海外旅行の隠れた楽しみにしている。

かつて藤巻健史氏(かつて三井信託銀行に勤めていて国会議員になった人)の本を読んでいると、盛んに米国株投資を奨めていた。米国企業の利益率の高さ、利益の絶対額の大きさを知ると心が揺れたのはホントだ。でも、実際に気に入った米国株を見つけるのが遅れたので実際に投資したのはかなり後になってからだったな。