最近、知人からアドバイスを求められたこともあり、スタート時の考え方を整理してみた。自分が株を始めた頃の新鮮な気持ち、不安に思っていたことはもう思い出せない。なので、なるべくフラットな立場で書くように努めた。
<3年前(2023年)の日経HPより転載> ※(5)のリンク記事から再掲した

(1)個別株かインデックス投資か
これは個々人の志向による。確かに初心者には値動きがマイルドなインデックス投資の方が安全でおススメしやすい。ただ、株式投資の基本は好きな会社を応援すること、ゆっくり成長を待つことであり、王道は個別株だと考える。東電の福島原発など個別投資のリスクは突然に露見するので避けきれないものがある。ただ、それは複数銘柄を保有することでリスクヘッジできれば構わないのではないか。
やはり、インデックス投資には主体性が感じられない、楽しくないと思うからだ。これは以前に3回ほど書いた「ETF投資の何が楽しいのか」記事(計3本)に書いたことなので詳細はそちらを参照願いたい。
もちろん日々忙しくしているから資産運用に感情はない、効率一択だと言うならそれもありだろう。ただ、その場合、慢性的な下落相場に入った場合に自分でどう振る舞うべきかシミュレーションしておくのが必要である。
hassan01.hatenablog.com
(2)株式投資を年利回りで考えられるか
配当金に関しては増減配で変動するリスクはあるが概ね利回り換算することは間違いではない。
但し、株価を利回り換算するのは問題。基本的に株価は1年間で30%は上下動するものと考えておいた方が良い。例えば年初に株価1000円だったとすれば、年末までに700円から1300円くらいの値幅で変動するものだ。もちろん、想定外のニュースが出れば半額(500円)に急落するかも知れないし、倍化(2000円)する可能性もないわけではない。
個社の業績変動、新製品の発売、一部事業の撤退など報道される可能性がある。また、個社の事業環境に関わらず、株式相場全体が急落すればツレ安に巻き込まれる可能性も十分にある。
個社の株価は変動が激しく、日経平均株価やTOPIXのようなインデックスの方が合成波になるので変動は(一般的に)マイルドになると考えていい。一般的にと前提を置いたように、コロナ禍の初期(2020年春)、リーマンショック(2008年)などはドラスチック(劇的)に急落しているので「利回り」と言った定率的な指標で評価するのは相応しくない。
(3)ネット証券が良いのか
これも好き好きだ。手数料に拘る、勧誘話をイチイチ聞きたくないのであればネット証券で構わないし、相談しながら決めたいのであれば店頭で話せる既存の証券会社を選べばいい。銘柄の相談はあくまでホドホドに留めて、投資や制度の一般論はカウンター越しに聞いた方が理解しやすい。
2025年の新聞報道によると、投資詐欺にあった場合の保証範囲が大手証券とネット証券で異なっていた点に要注意。前者は證券会社の責任とは言い切れないものの100%保証、後者は半額保証に留まっていたようだ。
また、山一証券が自主廃業した際に株券は100%返却されていた(と理解している)。ネット証券の廃業事例を把握していないが、割安な手数料(若しくは無料)をうたっているだけに、そうした緊急時の対応に不安を感じないでもない。
(4)特定の銘柄、商品を勧められたら
既存の証券会社であればオススメの投資信託や何らかの金融商品を紹介される場合がある。基本的には持ち帰り検討にして、即断即決はしないこと。証券会社には売る側の論理があるので素直に乗っかる必要はない。
ただ、知識として聞くことに損はないので耳を塞ぐ必要はない。どんな特徴があるのか、オススメの理由は何かヒアリングしておけばいい。
(5)新NISAを活用すべきか
「税金がトク」と言うキャッチフレーズは浸透している。と言うか、日本人はこの言葉に滅法弱い。
概ねその理解で間違いない。ただ、もし売却損が出た場合には特定口座での評価益や配当所得と相殺できないことが問題点として残されているので、その点だけは押さえておきたい。また、年間360万円の枠があるから無理して使い倒さないといけない、と言うものでもない。あくまで自然体で臨めばいい。
2025年に都内で「NISAは万能か」、「インデックス投資は万能か」を問うセミナーがあった。そこでも、初心者ほど万能説を支持する人が多かったのを覚えている。投資経験者でも自身の考えとは別に、初心者に対しては導入部としてこれらを勧めるとの意見が目立っていた。私も同感だ。
新NISAについては2024年に以下の記事を書いている。ご参考まで。
hassan01.hatenablog.com
(6)積立投資がいいのか
これも本人の性格による。月並みにメリットを挙げるとすれば以下2点となる。
・買付タイミングを考えなくて済む。
・ドルコスト平均法で安い時には多く、高い時には少なく購入できる。
敢えてデメリットを挙げると……
・大勝ちできない。
・相場の潮目を読める自信があれば、漫然とした手法に感じる
(7)投資タイミングはいつなのか
つみたて投資なら今すぐで構わない。ただ、2026年3月は長期スパンで見れば十分に高い水準にあることも忘れてはいけない。「長期」とはどれくらいの期間か?
冒頭に敢えて3年前の超長期チャートを載せてみた。現在は明らかに上昇中。ただ、見方によってはトレンド線をオーバーして真空地帯を上げているだけかも知れないし、大相場の1次波動に過ぎず今後も上昇を続けるのかも知れない。ただ、どちらのプロセスに当たるのか、将来のチャートについては誰も正確に予測できない。
もちろん個別会社のチャートは日経225と同様に最高値を更新するもの、停滞しているもの、業績悪化で急落しているものなど、様々である。タイミングを計るのに長期(5年若しくは10年)チャート、短期(1年)チャートの両方を見ておくことで、現在地とそれぞれのトレンドを再確認できるので客観視に役立つ。
個別銘柄であれば、半年間くらいチャートで値動きを確かめた後の方がベターである。半年待つことで、レンジが横這いなのか、上下に振れるのか何らかの傾向が出てくるはず。もし急落場面が現れればそこで安く拾えばいい。
また、注目した会社について新聞を読んでいれば、不思議とその会社、その業界の記事が目に入ってくるはず。そこで当初の思いにズレがないか、客観的に確かめることもできる。
(8)初期投資額をどう決めるか
新NISAのつみたて投資枠が年間120万円である。成長投資枠を使わなければ最大で年間360万円まで利用できる。
どのような制度設計の思想なのか不明だが、120万円を基準とすれば月10万円ずつが上限と考えていいだろう。個別株を購入する場合には最低単位の100株相当の金額(銘柄によっておおよそ10万円~100万円程度)がベースとなる。最低単位で100万円を超える銘柄もあるが、最初に買うなら慎重にしたい。
最初にドンと1000株買って株価が上昇すればそれに越したことはないが、急落するリスクも抱えている。いきなり資金が半減しては目も当てられない。まずは、100株保有して様子を見ながら買い増しタイミングを計っていけばいい。