前回、給付付き税額控除の追記メモの記事を書いてから2ヶ月経過した。期待外れから何か変化があったのか、7/14付け新聞記事を見ながら整理しておこう。また、後半では国民年金1号について、初めて知った事をメモ代わりに書いておく。
(1)変質する給付付き税額控除?
日経新聞の見出しをそのまま持ってきた。でも、台形のグラフは2ヶ月前と全く変わっていないし、区切りの金額が分からないので議論が深まっているのか分からない。そもそも
何が変質しているのだろうか?
どうやら、こんな議論になっているようだ。
当初の対象層: ①現役世代の低所得者
当初の対象外層: ②住民税非課税税世帯、③高齢者
最近の対象層: 上記3種全て
当初の政策目的が「社会保険料負担の軽減」と「働き控えの解消」だったらしいので、であれば対象層を広げる必要はない。特に、②と③はコロナ禍の給付金で何度か受給機会を得ているのではないか。感情論を挟んでバラマキになるなら、そもそも給付付き税額控除制度自体が今の日本にwelcomeな存在ではないのだと考えた方がいいかも知れない。
記事によると、社会保険の3号保険者制度の矛盾も書かれている。けど、これは社会保険制度改革の中で考えることでは。議論が益々発散してしまうなら、やはりextraな制度を追加しようとする流れ、ここを一旦stopさせていいんじゃないかと思うのだ。
<7/14日経より(2)>


この台形に話を戻すと、税や社会保険料の徴収を総合してここを補完すれば公平になるのだと言う、わかりやすい納得感を示してもらえるとスッキリする。例えば所得階層ごとに税・社会保険負担割合のグラフを全て重ねると翁カーブがきれいに解消されると明快で伝わりやすい。それがないからこそモヤモヤ感が先行してしまう。
尚、7/17の日経新聞によると、台形の下限は3説あるとか。年収53万円、74万円、106万円。上限は270万円説が出ているものの、流動的な金額のようだ。きっと区切りをどこに定めても誰かが不満を言い出す。その意味でどこかの政党の「壁」を過剰に意識させた主張は一見公平なようで無駄な議論を巻き起こしてしまう結果をもたらした点で悪手だったと考える。
(2)このネタの過去記事リンク
NHK「日曜討論」を見た時には、ベーシック・インカムの導入などドラスチックな制度改変に繋がるものかと思い、FPとして期待していた。けど、そうでもないとシラケてしまったのが5月。ご参考まで。
・2026.4記事
・2026.5記事
(3)1号保険者の内訳
上の記事と同じページに国民年金の1号保険者の記事が載っていた。これも興味深い。まずは制度についてちょっと復習しておこう。
国民年金制度においてサラリーマンは2号(厚生年金保険料は上限付き所得比例)、専業主婦は3号(保険料ゼロ)。その他の自営業者(20~60才)のために1号保険者(定額保険料)が定義されている。記事の最後に1号と2号で老後年金に大きく差が付くと書かれているが、それは保険料徴収の考え方が違うこと(1号保険者はmin徴収で、2号は所得比例)に依拠していると考えるべきものでちょっと説明が足りていない。
<1号保険者_1996~2023年>

グラフを見て気になったのは3点。
・この27年間で1号保険者が1000万人近く減っている。これはサラリーマン(正社員)に移行が進んでいることを意味するのか、それとも国民年金制度をスルーしている人が増えていることの含意なのか。おそらく後者なのだろう。
・勤め人(パートやアルバイト)は非正規雇用の推進で2000年代に入って増加してきた。ピーク時には1号保険者の40%前後を占めている。このことが、2008年のリーマン・ショックで雇止めなど暗い世相が現れていたことに繋がってきた。ただ、この層もここ10年でみると減少傾向にあり、保険制度からこぼれ落ちている層がいるのではないかと懸念する。
・本来の1号である自営業者は絶対数として大きく減少している。これは中小企業や零細商店の減少を意味しているもので、どんどん「企業」に吸収されて弱い体質に変化していると言えそうだ。
【2026.7.17】赤字箇所を追記しました。
















