H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

ウクライナ危機下において商品投資ETFの状況をwatchしてみる

前回のブログで「原油ETFで懲りた事があるので、そちらに関しては改めて」と書いた。個人投資家が石油など商品を買う事は稀だろう。せいぜい10年くらい前であれば金投資とかプラチナ投資くらいだったのではないか。

(1)WTI原油ETF

ところが、今ではETF(Exchange Traded Fundの略:上場投資信託)、ETN(Exchange Traded Noteの略:上場投資証券)があるので少額から商品に手を出す事ができる。原油の値段は株価や為替レートと同様にニュースで接する事がある。時間帯によって、アジアではドバイ原油、欧州では北海ブレント、米国取引時間だとWTIの値段になるが、やはりメジャーな指標としてWTI価格を聞く機会が多くなる。

なので、一度投資してみたいと思っていたので、WTI原油ETFを買ってみた事がある。2015年当時にはまだSDGsなんて言葉が登場していなかったと思う。当時の原油相場がどの程度だったか覚えていないが、逆にWTI原油ETF保有しておく事で、原油市況に関心を持てるんじゃないかと考えた程度だった。石油資源が尽きるまでその価値がゼロになる事はないだろうし、上下動はあっても価格のブレが大きいので利益を取れるだろうと、安易に考えていた。

ところが、WTI原油ETFは下がる、下がる。2020年に付けた安値が465なので、買値の7分の1まで深く沈みこんだ。もうこれでは諦めるしかない。不思議な事に原油相場が同レベルまで値を戻してもWTI原油ETFはそのレベルまで値戻しできない。もっと下の水準に留まったままなのだ。

どうやら同商品は原油先物に投資しているため手数料分だけコストが嵩んでいくようだ。それ以上は調べていないのでもっと別の要因が潜んでいるのかも知れない。ただ、そんな事を調べてもしかないな、と切り捨ててある時期に売却した。結果として買値の20%くらいの値段で売らされてしまった事になる。

ロシアによるウクライナ侵攻で原油相場が100ドルを超えた時期にあっても、2015年の買値を越えていない。なので、ジリジリと値を崩してしまったのは残念だったけど、売却して忘れられた事は正解だったと自分を納得させている。

原油WTIの10年チャート>

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(2)穀物相場にも投資できる

商品のETF商品として、農産物ETF穀物ETFも上場している。

これらに関しては原油ETFに投資した頃、ちらっと調べた事がある。ただ、原油と比べて圧倒的にETF出来高が少ない。そうした流動性に劣る商品だと売れないリスクがあると判断して、実際に買い付けた事はない。

ちなみに世界的に先物市場が整備されている農産物とは以下のようなものがある。コーヒーに関してはかつてIT企業に勤めていた時に、約定管理システムの開発に関わった事があり、そこで原産地によってアラビカ種とロブスター種があり、袋の大きさや取引通貨が異なると知った事がある。もう10年以上前の事なので現在は制度が変わっているかも知れない。

・大豆、とうもろこし、砂糖、小麦
・コーヒー、ココア
・livestock(家畜)

ただ、ウクライナ侵攻後に「富裕層は『こんな時こそ小麦だな!』と見抜いて投資しているんだヨ」と噂話を聞く機会があった。それで慌ててチャートを確認してみる。原油と同様に10年チャートで長期トレンドをザックリと見た。すると、確かに10年来の高値を抜いてきている。ここまで政治・軍事状況を素直に反映したものになるのか。驚いた。

<農産物ETF穀物ETFf:id:hassan01:20220428231512p:image

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ただ、よくよく底値を付けた時期を確かめると今年ではない。農産物ETFは2020年3月で新型コロナウイルスが世界的な問題になり始めた時期だ。穀物ETFは2020年8月なのでコロナ禍が当たり前の時代に突入しており、しかもその秋の収穫の見通しがハッキリしてきた時期なのだろう。そうか、2020年はコロナ禍で株式市場も大きく暴落したけど、その裏で商品相場も独自の動きをしていたのだと後付けで知る事になった。今更ながらにマーケットの世界は奥が深い。