H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

コロナで考える③(音楽が鳴っている間は踊り続けるしかないっていうけど)

10年ほど前、リーマンショックの後に、米国金融機関のトップがこんな科白を喋っていた。「音楽が鳴っている間は踊り続けるしかない」。

不正確かも知れないけど、まあこんなニュアンスだった。要するに、相場状況とか経済状況が明らかにおかしいと頭で判っていても、同業他社が業績を伸ばしている以上は自分達も同じようにガツガツと行動を続けていかざる得ない、って事だ。

これは、個人が株式投資をする場合でも同じ。アベノミクスが始まって以来ずっと相場は上昇を続けてきた。それ自体はありがたい事けど、いつまでも上昇相場が続く訳ではない。裏付けとなる業績がずっと右肩上がりで付いて来ればいいけど、いつかはコケる。しかも、GPIF年金積立金管理運用独立行政法人)とか日銀がETFで買い支えする政策は短期的には構わないとしても、何年も続けているのは明らかにおかしい。そんなの子供だって、優しく説明してあげれば「おかしいよね」って言う筈だ。

話が逸れるが、日銀の平均買いコストが1900019500円ってのも、安倍政権の7年間の平均でみたらやや高いんじゃないか。

3/11日経3面の中段より転載>

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でも、上がっている間は、なんとなく上昇相場に付いていく。でも、思考停止して盲目的に追従していると、こうして急落相場に出くわすと買増すか、手仕舞いで売却すべきか、正反対の行為をするのに迷ってしまうのは、我がことながらちょっと情けない気もする。一次的な下落なら買増せばいいし、大きく相場の方向が変わったのなら売却すればいい。シンプルなのに、ダブル・バインドが掛かって上手く決め切れない自分がいる。

で、思考停止が解けないまま、その内に戻るでしょ、と安易な割り切ってしまい、買増しを決める。そんな2週間だった。

でも、上昇相場が10年続いてきただけに、今回の新型コロナが世界中に感染を広げており、これ自体が一過性のimpactであっても暴落(世界的に5070%程度の下落)のtriggerになっても全然おかしくない。きっと更に急落した後にはTV・新聞の論調は「既に予兆があった」としたり顔になるだろうし、FPとか名乗るのであれば、イッパシの見方を備えていないとダメだなのだ。