H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

外国株で新株割当を受けたらどうなるのか

外国株投資において、忘れた頃に貰う(権利取得できる)のがこの通知だ。日本株の場合には、保有株そのものに対して株式分割が実施されて新株を受けるケースがある。1:2割当で既存の1000株に加えてもう1000株を加えて計2000株になるような例だ。その場合、株価が600円(×1000株=60万円)であれば、分割後には理論上は300円(×2000株=60万円)になる。

以下4パターンに分けて書いていくが、この記事では2項「子会社株の割当」を中心に据えている。

(1)株式配当

株式配当(Dividend Reinvestment Plan等と表記されている)の選択権が付与されるケースが最も多いだろう。最初は無償増資を受けたのと同じ気持ちで嬉しい。かつては実際に新株を受け取った事もある。ただ、株式配当だと1回の権利落ちで僅か数株くらいが増える程度なので単位株になるには長い期間を要する。また、外国株投資をする場合に配当金額を積み上げていく想定をされる方も多いと思うので、まず株式を選ぶ事はないだろう。

(2)子会社株の割当

今回の記事で注目しているのは、こうした例ではなく、A社株を保有している時にA社からスピンアウトしたB社株をA社の保有割合に応じて割り当てるものだ。新株の場合もあれば、A社の社債パッケージを割り当ててくれるケースもある。日本だとこうしたケースは極めて稀で、かつて伊藤園普通株の株主に対して優先株(現在も上場されている)を割り当てた事がある。それとてもう10~20年以上も前の事であり、その他の例を知らない。NTTからドコモが分離した際も、ソウトバンクGからソフトバンクが分離した際もあくまで親会社の株主に子会社の株式が割当られたのではなく、あくまで親会社が全て保有してそれを一般に売却していた。

実は、日本では極めて稀な事が海外銘柄ではそこそこ発生している。薬品株とか公益株でそうした例を知っている。そうした場合、証券会社から新株を保有するのか、すぐに売却して現金で受け取るのか選択するように伝えられる。

子会社株でもかつてはインターネットでリアルタイムに株価チェックできない時代だと、日経新聞の夕刊で終値をチェックできる程度で、それとて銘柄がごくごく限定されていた。ところが、これだけネット情報が発達してくるとtickerコードで検索すればリアルタイムで株価照会できる。決算情報も英語ながら取得できない訳でもない。なので、判らないなりに興味もあるのでちょっと保有してみようって事になる。

さて、こうして新株を保有すると税金はどうなるのだろうか。元々保有していたA株が100USDで、5:1でB株が割り当てられるケースを考える。為替レートは簡略的に1USD=100円としておく。

まずA株は20%分がB株に振り替わるため、権利落ち後は理論的に80USDとなる。20USD相当がみなし配当扱いとなって、その金額相当のB株が割当られる。もしA株を300株保有しているのなら、B株は60株となる。

20USD相当がみなし配当扱いになるので、配当としてその20%に対して源泉分離課税される。これまでの経験だと、円口座から4USD相当の円貨が引き落とされていた。また、A株が特定口座で買っていれば買値はそのまま変わらない認識だ。(実はこれまでそこまで注意してwatchしていなかったので自信がない。)

ただ、これまでハッキリと理解できていなかった事があった。B株の取得コスト(買値)はいくらになるんだろうか。かつては無償増資の間隔で捉えており、B株は無償で取得したので買値=0として手控えノートに記帳していた。なので、B株を売却すれば株価がいくらであろうと大きな利益として譲渡所得になると理解していた。

最近になって改めて考えてみると、これは間違っていたのではないか。取得時にみなし配当として権利を得ている。その時点で20%の税金が源泉徴収されているのだから、買値は20USDとして立てておくのが正しかったのではないか。その後、22USDで売却できれば10%の利益、18USDで売却すれば10%の損失とするのが正しいのだろう。

(3)有償割当

A株を保有している時に、株数に応じてA株を有償で買増しましょう、ってアナウンスが出たこともある。教科書で書いてある所の株主割当増資だ。

私もそうした権利を得た事があるのだが、外国証券口座の規定により、その国の株式を追加投資する事ができなかったため、権利が売却されてその代金だけ振り込まれた。なので、これに関してコメントできる内容がない。

(4)合併等で社名変更した場合

こちらは対等の精神で合併する日本企業でもままあるケースだ。ただ、外国株の場合には注意が必要だ、特定口座で購入していても合併後はずっと一般口座に出されてしまう。A株の100株はA’株の100株に商号変更されるだけで保有株数も何も相違はない。なのに、買値を自分で管理しておく必要に迫られてしまうのだ。