H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

5~6月の日本株高を考える

今年4月末に28000円台だった日経平均株価が、6月下旬には33000円台まで上昇している。僅か2ケ月で5000円の値上がりだ。ここ最近の株高でホントに恩恵があったのか。これはYesでもありNoでもある。と言うのも跛行色があるからだ。

1つには5月の株高は大型株に限定されたものだと言う事。Index投資の人は素直に好感しているじゃないか。ただ、私のように個別株投資している人にとって保有銘柄が上昇したのか、物色の矛先から外れていたのかによってマチマチだろう。幸い5月の日本株の成績は良好だった。

2つ目に特定の業種に限って極端な買い上がりが目立っている事。商社株の突出した高値追いはどこまで続くんだろうか。いくらバフェット氏が買い推奨を続けているとしても、三菱商事をはじめとした商社株の暴騰には限度があるんじゃないか。

そもそも五大商社ってそんなに凄いんだろうか。確かに3000円前後だった三菱商事のPERは1桁台で割安感があった。でもそれはリース業と同様に業種の特異性によるものだとスルーしていた。

確かに製造業が海外拠点、海外工場を持つようになった現在において、いつまでもかつての口銭商売で日銭を稼ぐ商売が好況を続けているとは思えない。勿論、商社の収益構造が90年代と比べて一変しているのはボンヤリと横目で見ている。収益構造が劇的に変わったのは投資収益の拡大によるものだ。

本当に優良子会社を育てて利益を計上しているなら構わない。ただ、商社がさほど大きな子会社を抱えているとは聞かない。特に国内子会社は小粒で、例外は三菱商事伊藤忠のコンビニ経営くらいではないか。

三菱、三井などは海外の資源系合弁会社では提携先が巨大企業なので、持分投資額に応じて資源高による恩恵を受けているのはホントだろう。新興国でのインフラ投資もセットになっている。ただ、鉱業株の色合いで買い進まれている部分は、いずれ世界的な鉱業株と同様に景気の浮沈を大きく受ける事になるのではないか。

ここまで商社の株高について書いてみたが、実は商社株を保有していないので何の恩恵も受けていないのが悔しいところだ。

<三菱のマークが眩しい>

3つ目に日本株が出遅れていたから最近になって買われている側面があるのではないか。事実、私の1~5月のYTDの含み損益はプラスを維持しているものの、5月単月に限ると含み損益はこんな内訳だった。

国内株:プラス

外国株(外貨建て):大きくマイナス
  ※地域別に分けてみると…… 欧州:---、米州:-、亜:-

為替レートを加味した外国株:若干マイナス

要するに月間トータルではマイナスに沈んでいたのだ。恩恵なんてないじゃないか。

NHKニュースで日本株の上昇を囃すことは間違っていないが、もうちょっと視野を広く持っておきたい。それが30数年振りの高値だと騒ぐような状況なのか、円安相場がジリジリと進んでいる中で世界株が循環物色されてたまたま日本株に順番が来ているだけなのか、冷静に見ておく必要がある。

あと少しで6月相場も終わる。6月の含み損益が日本株、外国株でそれぞれどうなったのか、この週末にチェックしてみたい。