H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

資源開発トラブルは商社株のリスク

先日のブログで商社株について触れて、三菱のスリーダイヤ・マークをアイキャッチ画像に使った。ちょうどタイミングよく他商社の話題が出てきたので、本日は三井マークを選んでみた。

<三井マーク>

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(1)北海道蘭越町で蒸気噴出報道

北海道で資源開発を目的として三井石油開発が掘削していたら、蒸気が噴出して硫化水素ヒ素が検出されてしまった。しかも硫化水素中毒の被害にあった住民が診断書を手渡そうとしたら押し留められたとか。同社はそんなことはしていないと主張するがホントなのか。真偽不明ながら、ひた隠しにしていた経緯が明らかになると世間は開発会社をやっぱりと、訝しい眼差しで見る事になる。

NHKサイトより>

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ネット検索すると、三井石油開発筆頭株主(100%出資)は三井物産だった。同社HPにも7/7付けで子会社の問題について簡単な文章が載っている。

<7/7付け親会社コメント>

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ラーメンからロケットまで何でも商う商社だから、もしかして温泉業も営んでいるのか。もしやと思って検索すると、別の三井系企業が温泉掘削していた。但し、商社系ではなくて、別の上場企業である三井金属鉱業の100%子会社である三井金属資源開発だった。

<同社HPの温泉開発>

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当社は、国内外の様々な地下資源開発や環境調査対策工事のために地球と向き合ってきました。その技術と経験を活かして、温泉調査・掘削・試験・設備設置・維持管理の全てをお手伝いします。また、温泉審議会への提出書類作成なども代行します。

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※地図と文章の引用元

https://www.mindeco.co.jp/hotspring_development/

上の地図を見ると岐阜県に業務が集中している。これは同地域での鉱山開発が盛んだったのか。岐阜の鉱山と言えばスーパー・カミオカンデ神岡鉱山が有名だ。もしかしてと思いネットで調べてみると、やっぱり神岡鉱山三井金属鉱業が操業していたヤマだった。

そうか、三井石油開発地熱発電の調査で想定外の温泉を掘り当てたのならば、同じ三井系の三井金属資源開発に事業譲渡すれば最終的にスッキリと収まりそうだ。ただ、ヒ素硫化水素など環境に悪影響を与えた事実は残る。有害物質の除去、継続的なモニタリング、被害者の救済はずっと負担としてのしかかってくる。風評、企業イメージ悪化も加わってくる。

この商社はかつてメキシコ湾沖の原油流失事故でもBPとともにコスト負担を強いられている。以下にリンクを貼った東洋経済オンライン(2011年当時)によると、子会社の三井石油開発が約870億円の賠償金を支払っていた。そうか、資源ビジネスは一旦権益を獲得すれば継続的に収益貢献するけど、ドボンする案件もあるって事なんだな。

https://toyokeizai.net/articles/-/7100

(2)集中投資と分散投資

と、ここまでの文章だと下世話な記事で終わってしまうが、このサイトはFP・投資の記事を書いている。そろそろ本筋に戻そう。

五大商社に投資しているバフェット氏は三井石油開発三井物産の100%子会社だって知っているのだろうか。もし投資会社である商社がリスクを隠しているにしても、いずれ公になっていくのでは。

個別企業に投資する事は常にこうしたリスクがつきまとう。バフェット氏もそうしたリスクを考えて、三菱商事を一択にするのではなく、五大商社にリスク分散したのかも知れない。

まだ三井物産の株価に影響は出ていないけど、1つリスクを抱えた事に変わりない。だから個別株投資は危ないとか、インデックス投資が一番、ETF投資がラクって主張をする向きもいるだろう。昨今の数字で見たパフォーマンスはそうかも知れない。

でも、全てを他人任せにして市場全体が長期の下落相場に入った時にどうするのか。市場平均だから下がっても構わないって言い訳は何も生み出さない。それにインデックス投資って思考停止状態だからなんにも楽しくなさそう。好きな企業、応援したい会社を選んで投資した方がポジティブな気持ちでいられるのだ。