H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

景気対策としての消費税減税

先日、「羽鳥慎一モーニングショー」で消費税率を上げる度に景気が腰折れして成長率が下がるので景気対策として消費税減税! ってトークを見た。名前は覚えていないけど、論者は京都大学大学院教授。Talkの仕切り役はTV朝日の玉川さん、反対の論陣を張るのが片山さつきだった。

 

ここ20年くらいの消費支出額なのか、GDPなのかそんなグラフが出ていた。5%にアップした時、8%にアップした時にそれぞれ右肩上がりだったグラフが腰折れして、その後立ち直ってくるのは確かだけど、その支持線を引いてみると成長率が徐々にヨコに傾いていき勢いを失っていく。確か最初は+4%程度だったのが、税率5%にアップしたら+2%前後へ、税率8%にアップしたら+1%前後へ、緩やかなカーブに変わっていったのだ。このグラフはかなり説得力があった。

 

で、201910月に消費税率を10%にアップしたら、自動車販売とか消費が16%もdownしている分野があるとか。それが単月の一過性の現象なら構わないけど、論者によってはそれが過度だと読め、別の論者には台風が繰り返し襲来したので消費が増えるムードでなかったのだろうとも解釈できるとか。勿論、どちらも一理ある。

 

片山さつきは、既に高齢化社会に突入しているのだから、高齢者がそんな盛んに消費する訳はないので、消費税率アップよりも社会構造の変化が招いた結果だ、とも反論していた。論陣を張った教授は、消費税は消費する事に罰則を伴うものであり、高齢者にとってはそうした違和感を少しでも拭い去るように5%へ減税すべきだ、と言い返していた。

 

グラフから見ると教授の主張の方が正しいと感じた。ただ、社会構造の変化とか片山さつきの質的な反論もそれなりに正しいように思えた。

 

ただ、これまで「減税」の2文字が新聞紙上に踊った時、それは所得税の減税か法人税の減税しか思い当たるものがなかった。酒税でもたばこ税でもだいたいその後に続く言葉は「増税」である。なので、TVをながらに聞いていて「消費税減税」って言葉が新鮮に聞こえた。

 

確かに、税金を取る立場からすればあまねく全ての人々から薄く広く徴税した方が負担感が少なくて徴税しやすいだろう。世代別人口のピラミッドが徐々に高齢者ゾーンで厚くなっていく中で、収入(所得)のない人からも徴収できる消費税の方がラクなのは判る。でも、確かに景気対策として「消費税減税」って選択肢があるのだとハッと気づかされた感じだった。いろいろな場面で、選択肢って沢山ある。A案かB案か二択を迫られるケースもあるけど、少し放置して様子を見るって感じのC案だってあれば、きっと頭を捻っているうちにD案とかも浮かんでくるかも知れない。

 

「消費税減税」って将にそれだと思う。公共事業を積み増しも必要だろうし、弱者救済のいろいろな施策もあるだろう。でも、「消費税減税」ってかなり直接的なimpactのある弱者多作になるんじゃないか、と発見した思いだ。