H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

スイス株の配当課税還付の手続き

日本株の配当を100円受け取った場合、所得税=15円、住民税=5円が控除されて手取り=80円となる。尚、簡素化のためここでは所得税率=15.0%としている。

それは、自国で課税されない英国株や豪州株でも同様。尚、昔の英国株投資ではGアレンジメント対応(※1)で一筆入れておく必要があった。昔は税金の本にも明記されていたけど、今はそんな事が不要なのか。この辺りはネット検索したもののハッキリ裏取りできなかった。

※1 本来なら英国でも課税されたが二国間の租税条約があるので徴税&還付しなくても済むようにあらかじめ課税しないようにする届。

米国株だと、米国で先ず10%課税される。いわゆる現地源泉徴収税額だ。その残額に対して日本の所得税住民税が課税されて、配当金を受取る事ができる。

で、スイス株だともっと恐ろしい事が起きる。なんとスイスで先ず35%課税されるのだ。これではいくら高配当株に投資したとしても手元に残る受取配当金はヒョロヒョロに細ってしまう。初年度はそんな想定外に焦った。

ここまでの所をざっくりまとめると下表のようになる。日本株だと税込み100円が手取りで80円、米国株だと74円相当になる。それがスイス株だとほぼ半減してしまうのだ。

<配当課税の概略>

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ところが、翌年になって還付請求の用紙が郵送されてきた。それによると、35%をスイスで源泉徴収したものの、還付請求すれば25%相当を返還しますヨ、と言うもの。なんだ、であれば昔の英国みたくGアレンジメントみたいな簡素な仕組みを整えて欲しい。これも国によるタテ割り打破に繋がるのでは。

用紙は全部で4枚。悩ましいのは英語で書かれている事。タイトル部に「Claim for Refund」、「Form931」とある。しかも裏面に飛行機でどこかの国に入国する際の関税customに提出するようなyes/no形式の質問が細かな字で延々と並んでいる。でも、記入要領に沿って埋めていけばいいだけの事。書類を4枚書いて、税務署に押印してもらえば大丈夫。

<請求用紙:表面>

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<請求用紙:これが1st~4thまで4枚>
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そうすると、忘れた頃に税の還付金(refund)を受取る事ができる。だいたい1年くらい後だけど、年によってかなりブレが激しい。一度だけスイスからAir-Mailが届いた事がある。あの国はドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏と言語が入り混じっているので、英語を含めて4ケ国語が書かれていた。何か問題でもあったのかと焦ったが、何のことはない、手続き完了の通知だった。

この還付請求はドイツ株の配当金に関しても同様である。その時期が来たら紹介する予定。

 

【10/17補足】

少し正式な用語を補足しておく。上記で「請求用紙」と書いたのは、スイスに対する還付請求をするため日本に住んでいる配当金受取の立場から書いたもの。

日本の税務署からすると、この言葉は適切ではないようだ。窓口で「居住者証明ですね」と言われたのだけど、その時にはこちらも要領を得なかったので生返事をしてしまった。国税庁のHPを読むと、どうやら上記「請求用紙」の事を「居住者証明書」と言うらしい。スイスは提出国(租税条約の相手国)によって定められている場合に該当する。様式フリーの国であれば、A4タテの「居住者証明書交付請求書」の下半分が「居住者証明書」になると書かれていた。 ※参考:国税庁のHP

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9210.htm