あるFP1級相談員の日記

FP1級取得者として相談を受けた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていきます。

FPタックス

103万円の壁を巡る議論について

衆議院議員選挙のあと、103万円の壁を巡る議論がかまびすしい。与党が過半数割れして国民民主党が躍進したためだ。ただ、減税するけど代替策は与党で考えるようにってのもムシのいい話だ。 <TV10の羽鳥さんの番組より(2)> (1)103万円の壁を引き上げる…

改めてiDeCoの受取方法を考えてみた

ある方の相談をベースにiDeCoの受取方法を考えてみた。観点としては「税制メリット」は本当なのか、である。 <ネット画像> (1)基本的な知識一時金で受け取れば退職所得となり、年金で受け取れば雑所得になる。一般的に云われているのは一時金がオトク。…

不均等分布に見る「蓄積家族」と「賃貸家族」

7/1付け日経新聞の「Analysis」面の半分くらいを使って平山洋介「これからの都市住宅施策―住宅の不平等是正を最優先―」が載っていた。この記事を読んでみると、いくつかの点で驚かされる内容が含まれていた。FPとして税優遇策を机上で学んでいた私にとって目…

4万円の定額減税にビックリ

昨年この話が決まった頃には呆れた。非課税世帯では7万円給付して、課税世帯では1人あたり4万円(うち所得税3万円)還付する。扶養家族が多いと減税インパクトが大きいのはいいこと。でも、全員給付した方が事務手続きとしてよっぽどシンプルでラクなのに面…

日本の累進課税制はホントなのか

日経新聞に面白いグラフが載っていたので引用させてもらう。確か3面か5面くらいだったと思う。所得階層別の税&社会保険負担割合を示したグラフだ。グラフのタイトルは「所得に対する社会保険料の負担割合は低所得層ほど重い」と書かれている。なにかと紛ら…

「N分N乗」で課税する事は少子化対策に有効か

政治家の頭の中ってどうなっているのだろうか? 唐突に所得税の計算で「N分N乗」が降って湧いた事に驚いたのが正直な所だ。 何も「N分のN乗」は新しい話でもない。現在の所得税の計算プロセスにも登場している。ただ、それが王道ではなくて、所得種別が1…

1億円 見知らぬ壁は どこに立つ

あけましておめでとうございます。 今年も弊ブログを宜しくお願い申し上げます。 新年なので景気よく「1億円」や「30億円」などぶっ飛んだお話しから始めさせていただきたく。 * 11月の日経新聞に面白い記事が載っていた。まずはそのグラフを見てみよう。 <…

マイナンバーって税番号のこと

河野大臣がマイナンバー・カードを2024年までに保険証に代替(切替)して使えるようにすると言う。一見便利なようだけど、やっぱり疑ってしまう。 (1)マイナンバーとは 先ずはマイナンバーの定義を確認しておこう。 マイナンバーは日本に住民票を有する全…

2021年の確定申告を終えて

2021年の還付申告を終えた。確定申告の相談コーナーに行ってみたが、コロナ禍でも盛況。30分待って相談、悩みはスッキリした。 今年もおそらく申告通りに還付されると思っている。簡単にその報告を共有する。 (1)申告内容 ・配当の総合課税・有価証券譲渡…

金融資産課税を強化する議論

自民党の総裁選で、高市候補が金融資産課税の強化に触れている。インフレ率2%を達成した暁には、配当課税とか譲渡益課税を現行20%から30%へ上げていく事を想定しているようだ。 背景にあるのは貧富の格差拡大を解消したいって事。2000年代に伸長した契約…

2020年の確定申告を終えて

2020年の還付申告を終えて還付金が戻って来た。申告通りだったので、簡単にその報告を共有する。 (1)申告内容 ・医療費控除・配当の総合課税・有価証券譲渡所得の証券会社間のnetting (2)添付資料は殆ど持ち帰り 医療費明細も配当明細も紙キレが溜まっ…

確定申告にまつわる話題

勉強会で知った事を、頭の整理も兼ねてまとめてみるシリーズ。今回は確定申告seasonに合わせて税金の話題。 【主に個人用】 ・振替納税が有利 私の場合は殆ど還付申告ばかりだけど、サラリーマンしていた頃に1度だけ納税した事がある。その時もコレを選んだ…

2020年12月に把握しておきたい税制動向

勉強会で習った事を頭の整理を兼ねて書いてみる。 給与所得控除の圧縮 2020年より給与所得控除が10万円減額されている。しかも、上限となる給与収入が1000万円超から850万円超にdownした点は、年収の分布図を思い出してみる限りだと特定の大企業を除くと大し…

iDeCoのZoomセミナー(第2回)に出席してみた

某銀行のiDeCoセミナーをまた1時間ほど視聴した。募集定員500名に達していたようで盛況だ。 内容はどんな投資信託が用意されているのか、balance(passive)型・active型商品の特徴、2022年5月以降の制度改正、退職所得控除税制などだった。前回と比べると、…

配当税制を整理しておこう

CFP試験も近いので、自分の頭の整理も兼ねて、配当税制を書いておこう。 株式の配当税制はいくつかのpatternがある。 【所得税】 A:申告不要(源泉徴収で終了) B:総合課税で確定申告する C:分離課税で確定申告する 【住民税】 D:申告不要(源泉徴収…

スイス株の配当課税還付の手続き

日本株の配当を100円受け取った場合、所得税=15円、住民税=5円が控除されて手取り=80円となる。尚、簡素化のためここでは所得税率=15.0%としている。 それは、自国で課税されない英国株や豪州株でも同様。尚、昔の英国株投資ではGアレンジメント対応(※…

今年のNISA枠をどう使うか

2014年に始まったNISA制度、今年もあと4ケ月なので秋の暴落シーズンに拾いたい所だが、やっぱり悩む。と言うのも、制度開始以来の過去6年の成績が芳しくないためだ。個別株に5回、ETFに1回投資して、結果は2勝4敗と不振を極めている。 個別株の業種 結果 ー…