H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

2022年の年末にNISAで2題

最近NISA見直しを巡る話題が出てきた。本日はNISAについて考えてみよう。

(1)NISA枠の拡大論議

上記でも少し触れたが、先日、自民党の税制改革大綱でNISA拡充路線が表明された。現行の120万円×5年=600万円が、「成長投資枠」の名前で無期限かつ1200万円に拡大する見込みだ。これは嬉しい事。

<今月の日経新聞より>

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「資本所得倍増」ってイメージが湧かなかったけど、これは正しい政策なのか。

つみたて投資好きな人は、これで万々歳となるだろ。でも、私のように個別株投資を志向としている人にとっては、やっぱり譲渡損失の相殺ができない事はNISAの最大の欠点だ。この解消を強く希望する。これに想いが至らないのって、やっぱりNISAを擦親する政治家や官僚が預貯金と株式は同種だって発想があるためなのか。

以前の投稿で書いたので、そのまま引用したい。

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損失が発生したら譲渡損失として認識して欲しい事

NISA枠で購入した株式の配当所得も譲渡所得も5年間に限り非課税となる。ただ、想定外に株価が値下がりして大きく損失を被る可能性もある。通常の口座で買い付けていれば、譲渡損を他の譲渡益や配当所得と相殺できるが、NISA枠で購入した銘柄は損失相殺ができない。投資を促す立場で導入した制度なのに、そのままその損を被るだけでnettingできないのでは優遇制度と呼べない。

かつて1000万円の非課税購入枠があってその範囲内であれば非課税って制度があった。もう覚えていないけど、あの当時はこんな片手落ちな制度ではなかったんじゃないか。

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※参考

hassan01.hatenablog.com

 

(2)今年のNISA枠をどう使うか

2020年にも「今年のNISA枠をどう使うか」と言う記事を書いた。毎年12月になるとNISA枠で悩む。

と言うのも、過去のNISA枠の利用実績があまり良くないためだ。通算するとプラスだけど、個別株で勝負する人は負ける可能性がある。そうなるとその銘柄の譲渡損を他の銘柄の譲渡益とnettingする事もできないし、損がそのまま負担になってしまう。それが嫌でなかなかNISA枠を使っていいのものか悩んでしまうのだ。

あれこれ悩むのは精神的に良くないので普段は特定口座で買い付けて、12月に入ったらNISA枠で悩む習慣がここ数年続いている。

これまでNISAでは重厚長大銘柄の底値を拾う事が多かった。でも、底値と信じて買ったら底が抜けて二番底にズリ落ちて行ったり、遅々として上昇しないケースもある。

今年はちょっと路線を変えて国際優良株を買ってみた。これまでの路線から軌道修正を図ってみたいのが1つ。もう1つの理由は、自民党の税制改革大綱でNISA拡充路線が表明されて、その中に「成長投資枠」なるワードが入って来た点だ。確かに、個別株を買う以上は高配当株狙いだけでは面白くない。高成長こそ株価上昇を伴うもの。いや、急騰を期待したいではないか。

最初に候補として挙げたのはキーエンス。この銘柄は100株買うのに500万円超なのでNISAの限度額120万円に納まらない。と言うか、そもそも500万円は高すぎるのでアウトだ。株価が12000円以内に納まる会社から選ぶことにした。

今年のNISA枠を利用するなら明日12/27が最終取引日になるので、念の為。

 

(3)NISA改革のその先は

今回の方向性で決まれば、金融庁のNISAか厚生労働省iDeCoかって論点は終わるだろう。制度の意味合いは違えど、年齢や職種の制限などより緩いNISAがメジャーになる方向だ。

あと、つみたて分も含めて1800万円の非課税枠を設けた事で、将来的に譲渡益増税の足掛かりができたとみる事もできる。現行20%(所得税15%、住民税5%)を吊り上げていくリスクはないのだろうか。

コロナ禍の3年間で国は感染症治療費やワクチン費用を負担したし、補助金を大盤振舞いした。その総額は如何ほどなのかハッキリしていない。ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の挑発を受けて、防衛費増額が見込まれその観点でも増税の方向性が示されている。

取りやすいところから税を徴収する点で、1800万円の非課税枠は免罪符になる惧れがあるのではないか、そんな懸念を感じる今年の年の瀬だ。