H’s ある株ホルダーのFP日記

株ホルダーとして考えた事、FPとして伝えたい事を不定期に書いていくつもりです。

金融機関のリアル店舗は大丈夫なのか

2019年頃だったか、福山雅治・主演のTBSドラマでは銀行の支店リストラがテーマだった。繁華街にあった銀行支店が概ねアパレル系店舗に置き換わってきており、概ねそうした動きは収まったのかと思っていた。が、実はそうでもないようだ。

(1)某証券会社の顧客リストラ

リアル店舗を持つ準大手証券の某社が担当制を廃止して、顧客を強引にテレホンバンキング部隊に移管させようとし始めた。そこでは担当者を付けないと言う。勿論、大口顧客であれば今でも大事に扱ってくれただろうけど、そういう立場ではないのが辛い。

いつだったか時期は定かでないけど「手数料も安くなりますしネット取引用のパスワードを通知する事になりました」と一方的に言われたので、その淡泊な営業姿勢に呆れてしまった。その時は一旦電話を切ったのだが、その後で忘れた頃に「意向確認」のハガキを返送するように仕向けてきた。そこまでするのか?

彼らも「自分達も今後の所属部署がどうなるか判らない」と喋っていたけど、先ずは顧客に対する真摯な姿勢を示してほしい。ただ、ネット証券の台頭で手数料体系も大きく崩れており、店舗を営む証券会社は個性がないと生き抜けないのだろう。その動きは今に始まったものではなく、もう10年、20年前からの静かな動きだ。誰かのブログで読んだけど、例えばテレビ東京で盛んにCMを流している岡三証券っていいんだろうか。ネット証券が提供してくれるツールを真面目に比較する気もないので、友人との繋がりで即決したままだ。

ただ、コロナ禍が後押ししたのか、リモートワークを始めたすごもりサラリーマンがこれを機会に証券投資を始めた人が多いと言う。そのため、ネット証券の口座開設は大きく伸びた。それに対して既存証券での動向はハッキリしない。

さて、私事だが小口投資家に対して対面証券会社のやる気のなさが思いっきり表れていたので、結局ネット証券に切り替えた。元々ネット証券とも取引があったので、これを機会にサヨナラする事にしたのだ。

個人的に考えるネット証券のPros/Consは次の通りだ。

Pros:
・手数料が安い
・余計な郵便物が届かなくなる
・ほぼ24時間、取引注文できる

Cons:
・外貨建て口座の残高把握が面倒
・暴落時の対応を未経験(ネット注文が正確に執行されるのか)
・証券不況時の対応を未経験(信用度は確かなのか)
・担当者がいない(営業機能は不要だが、税務処理とか税制変更時に有能な担当だとありがたいのだ)

移管に当たって特定口座間で上手く処理できた。円貨建ての取得金額は引き継がれているので税務上は支障ないけど、外貨の取得金額がゼロになってしまったのがチト寂しい。

(2)信託銀行の支店閉鎖

これまで信託銀行の印象と言えば、窓口で何かとダラダラ待たされる事だ。酷い時は2時間近く掛かった時もある。都市銀行は空いているし、1人1人の用事もルーチン的なもので時間が掛からないけど、信託銀行は客層も高齢化しており1組の顧客に割く時間がゆったりしている。が、1.5時間待ち+30分対応はストレスだった。

かなり前から空中店舗にシフトした信託銀行もあるけど、他の信託銀行では最近になって店舗廃止の動きを進めているようだ。ただ、いざそんな郵便物を受取ると、世の中の動きが他人事でない事に改めて気付かされる。

それにしても、そんなに関東と関西だけに集約して経営をスリム化したいんだろうか。某支店で話を伺うと口籠っていたものの、何人かの話を総合すると「ネット取引されている顧客はそのまま継続して頂いている。来店された顧客は半数が解約されている」ようだ。

でも、一旦外部流失した資金はもう戻ってこない。かつて信託商品「ビック」が消えた時にも時代の変化を感じたけど、統合して数を減らした信託銀行はまだシュリンクを続けて行くのか。